「Vamp Bamboo Burn」という魔物
「自担が自分の地元で催される舞台に出演する」
その言葉に心が揺るがない地方ヲタはいないはずだ。
私ももちろんその1人で、「Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜」のプレビュー公演が地元で開催されると知って、すぐに行くことを決めた。
正直、「自担が地元で観れる」というだけの軽い気持ちで行ってしまったと言っても過言ではない。
甘かった。
この舞台、そんなこと抜きで面白い。
軽い気持ちで来たことが悔しいくらい面白い。
まだ始まったばかりなので、極力ネタバレを避けようと思うが、他の会場にも入りたいという気持ちを抑えるためにもちょっぴり感想を書こうと思う。
1. 舞台演出の派手さ
まず舞台演出が「派手」だ。あくまで今まで行ったことがある舞台との比較になってしまうが、一般的な舞台はセットがあることが基本だと思う。
しかし今回はセットにプラスして壁状の液晶がある。
場面場面にリンクして映像が流れるために臨場感がすごい。
また、殺陣シーンやアクションシーン、そして衣装の早替えも多く、まさに瞬きをするのがもったいなく感じる舞台である。
まさに「目が足りない!」となってしまったので、ぜひ何度でも足を運びたいと感じてしまった。
2. 脚本の面白さ
今回の脚本は宮藤官九郎さん。もう言わずもがなだが、正直ドラマや映画と舞台では違うのでドキドキしながら見始めた。
始まってみると、クドカン作品にありがちな言葉遊びやギリギリなパロディなど細かい演出が多く、見てて飽きない!
そして、上でも書いたが、今回は壁状の液晶があったため、舞台なのにどこか「舞台」を感じさせなかった。まるで臨場感がある映画を見ているようだった。
そのため、今までの舞台とはまた一味違う舞台に出来上がっていたような気がする。
3. 演者の演技の迫力
脇を固めている俳優さん一人一人が表情に至るまで素敵で!
今回は愛憎劇にコメディにアクションと忙しいのに、そのシーンシーンでガラッと雰囲気を変えてしまっていた。
特にアクションシーンの殺気迫る雰囲気は思わず息を飲む。1ミリのズレがあったら怪我に繋がってしまうのではないかと思わず感じてしまう雰囲気に圧倒された。
何より、まだこれは「プレビュー公演」。これからもっと演技が磨かれていくかと思うと、後半の舞台がさらに気になってしまうこととなった。
4.「俳優」神山智洋
最後に、今回見に行った最大の目的である、我らが神ちゃんについて触れておきたい。
今回、神ちゃんの役柄を一言で表せば「悪気なしの小悪魔天然爽やか少年」である。
キャラはどこか エディ*1 と少し被るけど、今回の役はさらに神ちゃんにハマっいて!
主人公である藤志櫻のお付きの者である「蛍太郎」なのだが、影に徹していても目立ってしまう。
そして、それを指摘されると「申し訳ありません!」と言うものの、「僕にあるのは爽やかさだけ!」と謙遜しながら無意識に自分を上げてしまうのだ。
憎めない。あぁ憎めない。
表情一つ違えば、ただ憎たらしいキャラクターになってしまうのに、綺麗に「小悪魔」キャラにまとめてしまった。
それだけじゃなく、捕まった主人に対しての悔しがる顔や、実験所での殺気迫った顔など、細かな表情の演技に思わず目を奪われた。
いろんな要素のある舞台だからこそ、神ちゃんの演技力の高さに驚くことになった。
また、今回の舞台では、蛍太郎としてだけでなく、フェスのギター弾き語り歌手や、闘争シーンの不良役など端役としても出演していた。
そこでは演出家さんによって意図的に見せ場を作っていただいたとは思うが、蛍太郎としての演技やダンスだけでなく、ギターや歌、そしてフォーリアまで!
神山担としてはこんなに見せ場を作ってもらっていいの…?という気持ちだが、観客の方々に少しでも「あの子誰?」と思ってもらえたらファン冥利に尽きる。
今回の舞台は10月の大阪まで3会場を巡る長丁場の舞台だ。
こんなに内容盛りだくさんの舞台ならば、役者としてはもちろん、神山智洋としても絶対成長できると思う。
ただ、激しい立ち回りが多いため、怪我だけが心配だったり…カンパニーが誰1人欠けることなく最後まで走り抜けてほしい。
…うーんやっぱり書けば書くほど行きたい気持ちが抑えられなくなってしまった。
立ち見席の残数とにらめっこしながら、1ヲタクの感想を終えようと思う。
*1:2015年春、神ちゃんが「ブラッドブラザーズ」にて演じた役